完全に充電されました

アイドルが好きです

太宰治のカチカチ山は藁人形論法の見本説

太宰治のカチカチ山を読んだので感想を書きたいと思います。

※ふーん、程度で読んでね!

 

 

結論から言うとマジ切れしました。

“頭が沸騰する”とはこのことなのだと、体感致しました。

 

ミソジニストおよび己の中のミソジニーと向き合えない人、名誉男性は読まないでください。100%不快になります。

 

ちなみに私は日々己の心に住む名誉男性を追い出すことに必死です。女性差別とはとても根深いものですね。

 

太宰治版の設定です。

16歳の処女。美人。

ここでいう処女が「未婚女性」なのか「男と交わったことのない女性」なのか、おそらく後者。

 

醜男。兎が性的な意味で好き。37歳男性。

兎には17歳を自称。

 

以下感想。

主にブチギレポイントを書きます。

 

この兎は十六歳の処女だ。

いまだ何も、色気はないが、しかし、美人だ。

さうして、人間のうちで最も残酷なのは、えてして、このたちの女性である。

“このたちの女性”の例としてアルテミスを挙げ

気に入らぬ者には平気で残酷なことをする。自分の水浴しているところを覗き見した男に、颯つと水をぶつかけて鹿にしてしまつたこと事さへある。水浴の姿をちらと見ただけでも、そんなに怒るのである。

 

 

は????

 

ここで犯罪白書を見てみよう。

 

平成26年

http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/62/nfm/n62_2_1_1_1_2.html#h1-1-1-07

 

上の表1-1-1-8を見てもらいたい。

嬰児(えいじ)殺しを除いた他の項目は、全て男性の比率が高いことがわかる。

嬰児殺しの次に女性の割合が高い万引きでさえも40.9%であり男性の方が多い。

世間一般的に最も残酷な犯罪である殺人を犯した人間のうち23.5%が女性、つまり76.5%が男性であった。

 

全体で言えば、この年は犯罪者の8割近くが男性であったと読み取れる。

 

 

平成28年

http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/64/nfm/n64_2_1_1_1_2.html#h1-1-1-06

 

表1-1-1-6を見てもらいたい。

こちらも嬰児殺し以外は男性の割合が高い。

殺人者のうち27.5%が女性、72.5%が男性であった。

全体で言えばこの年も犯罪者の8割が男性であった。

 

 

殺人事件についてこんな資料を見つけた。

警視庁の統計及び総務省統計局の人口資料による。

 

http://www.moj.go.jp/content/000112398.pdf

 

これによると、昭和57年度の殺人者の男女比は、おおよそ男性8割、女性2割である。

 

ちなみに同資料によると、殺人による入所者の配偶関係も載っている。2-3-10図だ。

初入者の5割近くが未婚であり、再入者の3割未満が未婚である。

 

太宰治が兎の“処女”にこだわる理由は知らないし考えたくもないが、単純に考えたら兎は初犯なのかも知れない。

 

 

そして次が警視庁Webサイトの統計資料

「刑法犯少年の男女別検挙人員及び人口比の推移(平成20-29年)

https://www.npa.go.jp/hakusyo/h30/toukei/toku/10.xls

 

これによると、女子の割合が最も高いものは22.0%(平成20年)である。

最も低いものは平成28年度の12.4%である。

 

犯罪を犯した少年のうち、男子はおおよそ毎年8割を占めていることがわかる。

 

 

 

本当に最も残酷な人間が“美しい処女”なのであれば、これらのデータは「太宰治が生きていた間は(未婚)女性は他と比べて凶暴であったが亡くなった後急に大人しくなった」「太宰治が亡くなった後に男性が女性と比べて凶暴になった」以外に説明がつかない。もしくはデータの改ざん。

 

どうぞ頑張って証明してください笑

 

それとも「美しい処女は女性の中でも数が少ないから男性全体と比較したら少ないのは当然!美しい処女の残酷性の単体のデータはない!」

みたいな屁理屈をこねるのだろうか

 

 

いや、どう見ても男性の方が残酷だろう。

後々書きますが、この作品における「女、特に可愛い処女は怖い!悪魔!」という風潮は、まぁなんだ、言っちゃ悪いが寝言なんだろう。寝ぼけてるんでしょうね。

 

“残酷で男を騙して辱めることに躊躇いのない美しい処女”という藁人形を抱きしめたまま、どうぞ地獄でおねんねしててくださいね。

 

だいたい、防空壕でカチカチ山の狸について娘と話したそうだが、あなたが防空壕に入らなければならない理由を作っているのは他ならぬ男性ではないのか?

なぁおい、答えろよ。

 

 

そして、

「水浴を覗き見した程度で鹿にしちゃうなんて女は残酷だなあ」

とでも言いたいんだろうが、

 

覗き見は犯罪である。

やられた方はもう今後安心して水浴できないし、心の傷を一生背負って生きていかなければいけないし、被害者の人生はもう取り返しがつかない。

 

まさに太宰治のような人間が大勢いるせいで、

アニメやゲームなどで

 

男子生徒「修学旅行と言えば、女子風呂の覗き見だよな!男のロマン!それっ突撃!」

女子生徒「きゃあ!えっち〜もう!男子ったらしょうがないなぁ」

 

などのゴミテンプレが蔓延し、

そっか、風呂覗くのはちょっと怒られる程度の悪戯なんだと勘違いしたクソ共が量産されるのだ。そしてそれは現実にも影響を与える。

検索すればまぁ出てくる出てくる、実際の被害が。しかも大抵は“盗撮”もセットで。さらに悪質である。

 

ちなみに風呂覗きの例はこれ

 

https://www.google.co.jp/amp/s/news.nifty.com/amp/domestic/society/12184-52244/

 

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20191026-00015014-bunshun-spo&p=1

 

 

ふざけんなよ

 

そりゃあ、「風呂を覗く」よりも「風呂を覗かれたことを許さず泣き寝入りしない」ことの方が残酷だと言うなら、美しい処女の方が残酷でしょうよ。

 

 

 

自分を食べようとしてきた婆さんに暴行を加え逃げてきたことを自慢げに話す狸。

まぁ、ただ生きているのを捕えられて食べられそうになったことは心底同情する。そこは災難としか言えない。

 

狸「婆さんボコったった!」

兎「その老夫婦私の友達なんだけど。知ってるよね?」

狸「え…知らんかった」

兎「いや話したやん。なんで嘘つく?あんたは私の敵よ」

 

兎にはもうこの時すでに、狸に対して或る種の復讐を加えてやらうとふ心が動いている。処女の怒りは辛辣である。

 

いや、処女関係なくね?????

からしたら「お前の友達に暴行を加えてきた!」って言われてんだから腹も立つだろ。もともと狸のこと好きでもないしな。ただ向こうが勝手に好きになってきただけ。

 

そこにいちいち男性経験がないとこや未婚であるとこに結びつけるの、気持ち悪い。

男性経験がある女性や既婚女性は全ての男性を受け入れ優しくするものだとでも思ってんのか?

 

まぁでも兎は老夫婦が自分と友達であることを狸が知ってるかどうかなんてぶっちゃけどうでも良かったと思う。

狸をさっさと追っ払いたかっただけだと思う。

唾飛ばすし、臭いし、「お前に怒られると死にたくなる」なんて言って自分の行動をコントロールしようとしてくるし。普通に嫌だわ。

だいたい自分を17歳と偽って16歳と結婚したがる37歳、絶対まともじゃない。そんな奴が善人な訳ない。大人になってから分かったことだけど、子供と恋愛したい大人、まじでやばい。

 

 

大人しく芝刈りする兎に

たうたうやつこさんも、おれのさかんな柴刈姿には惚れ直したかな? おれの、この、男らしさには、まゐらぬ女もあるまいて、

 

やっば…

まず、そうだな、うん、その恋愛脳をやめよう。「女の子が自分に惚れてくれれば幸せになれる」みたいなの、本当にやめた方がいい。

その女の子にも人生があること、見えてないでしょ君?

 

ちなみにこの思考の延長線上にあるのが

「俺の魅力に気づかない女が悪い」「俺と恋愛してくれない女は残酷。女は男に配分されるべき資源なのに。」

だよ!覚えたかな?

 

次の日

思へば、おれほど不仕合せな男は無い。なまなかに男振りが少し佳く生れて来たばかりに、女どもが、かへつて遠慮しておれに近寄らない。いつたいに、どうも、上品に見える男は損だ。おれを女ぎらひかと思つてゐるのかも知れねえ。なあに、おれだつて決して聖人ぢやない。女は好きさ。それだのに、女はおれを高邁な理想主義者だと思つてゐるらしく、なかなか誘惑してくれない。かうなればいつそ、大声で叫んで走り狂ひたい。おれは女が好きなんだ!

 

あ、あぁ…

非常に可哀想ではあるが、狸を救う義務は女にはない。

 

そして

「女が自分を誘惑してくれないから自分に恋人ができない」

という本音まで暴露。あーあ。

 

 

少くともおれの顔は、目鼻立ちは決して悪くないと思ふんだ。ただ、この色黒のために気がひけてゐたんだ。

 

ちきしやうめ、こんどあいつが、おれと逢つた時、うつとりおれの顔に見とれて、うふふ、おれはもう、あいつが、恋わづらひしたつて知らないぞ。おれの責任ぢやないからな。

 

おれに、とがは無えのだ。おれは生れて三十何年間、色が黒いばつかりに、女にいちども、もてやしなかつたんだ。それから、おれは、食慾が、ああ、そのために、おれはどんなにきまりの悪い思ひをして来たか。誰も知りやしないのだ。おれは孤独だ。おれは善人だ。眼鼻立ちは悪くないと思ふんだ。

 

THE インセル

現代の狸を見たい人はツイッターを始めると良いですよ。体感ですが、今はもう5chよりツイッターの方がタチの悪いインセルが多いです。

 

インセルについての記事一応貼っときます

 

https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-44153194

 

 

 

ネットでよく

「俺たちがやったら犯罪でもイケメンは無罪なんだろ?」と言ってくる男性がいます。

 

んなわけないだろ

 

いちいち犯罪者の顔を確認して良し悪しを判断する人、かなり少数だろうし犯罪は犯罪だわ。

それはあなたの願望です。

 

でも狸はきっと思ってるタイプよね。

 

容姿が良ければ相手に加害しても許されやすい

って

容姿がもっと良ければ、ありのままの自分を愛して自分を幸せにしてくれる女体が向こうから現れる

って

 

 

実に、何のいいところも無い。これもまた一種の女難にちがひ無からうが、しかし、それにしても、あまりに野暮な女難である。

 

(笑)

 

女が悪いなら女に近寄らなきゃいいじゃん。

いつ兎から狸に近寄ったよ?いつ兎が狸に「私に会いに来て」って言ったよ?

 

 

でも狸はまた兎に会いにいく。

 

「遊びに来ましたよ。うふふ。」と、てれて、いやらしく笑ふ。
「あら!」と兎は言ひ、ひどく露骨にいやな顔をした。なあんだ、あなたなの? といふ気持、いや、それよりもひどい。なんだつてまたやつて来たの、図々しいぢやないの、といふ気持、いや、それよりもなほひどい。

 

 

兎、本当に災難だな…

なんだろう、ツイッター

“クソ客のいる生活”のハッシュタグつきツイートを読んでる気分だ…

 

一種の男難に違いないですな。

 

 

狸には、その、あら! といふ叫びも、狸の不意の訪問に驚き、かつは喜悦して、おのづから発せられた処女の無邪気な声の如くに思はれ、ぞくぞく嬉しく、また兎の眉をひそめた表情をも、これは自分の先日のボウボウ山の災難に、心を痛めてゐるのに違ひ無いと解し

 

いやぁ、気持ち悪い。気持ち悪すぎ。

狸じゃなくて、処女にこだわる太宰治が。

もしかして若い女の子、くらいの意味で使ってんのかな?私の誤読ですか?そうであってくれ。

 

 

兎はもうさつきから、早く帰つてもらひたくてたまらなかつた。いやでいやで、死にさうな気持。何とかしてこの自分の庵の附近から去つてもらひたくて、またもや悪魔的の一計を案出する。

 

わかりみが深い。

直接は「消え失せろ」とは言いにくいから、この瞬間は耐えるしかない。

 

言ったら絶対この狸はキレるもんな。

「俺は善人だが、限度がある。騙しやがって。俺の時間と優しさを返せ」

とか言いそうだもん。自分が付き纏ってるのに。

 

「この人といると幸せ!」って思うとき、相手は死ぬほど我慢してること、あるよね…(自戒を込めて)(反省してます)

 

 

「さうね。」と兎は、この狸の勝手な意見をも信じた振りして素直に首肯く。さうして狸は、ああ世の中なんて甘いもんだとほくそ笑む

 

このやうに器用な働き者を女房にしたら、或いはおれは、女房の働きに依つて遊んでゐながら贅沢ができるかも知れないなどと、色気のほかにいまはむらむら慾気さへ出て来て、いよいよこれは何としてもこの女にくつついて一生はなれぬ事だ

 

(略)

けふはひとつ、わが女房のお手並を拝見したい。」いやに言葉遣ひが図々しくなつて来た。

 

この狸もう手遅れですね。

一緒に魚捕りに行ったら結婚への同意だと勘違いする男のどこに善性を認めたらいいんだよ。誰か教えてくれ。

 

なーにが“女難”だよ。なーにが“狸は善人”だよ

災難なのは徹頭徹尾兎のほうじゃないか。

 

自分の人格を認めず、楽に生きるための機械としか思ってない狸のことを好きになる訳ないじゃん。

 

狸は兎を“好きなひと”って言ってたけど、それは違うと思うよ。ほんとは兎を自分と同じ人間だなんて思ってないんでしょ?都合のいい奴隷(予定)なんでしょ?

「こいつを女房にして働かせれば楽に生きれる。俺が女房だと言ったら兎の意志なんか関係なく女房だ」って思ってるんでしょ?

 

奴隷の意志なんか関係ないもんな。あ、そもそも兎に意志があるなんて思ってないか。

 

 

まことに無邪気と悪魔とは紙一重である。苦労を知らぬわがままな処女の、へどが出るやうな気障つたらしい姿態に対して、ああ青春は純真だ、なんて言つて垂涎してゐる男たちは、気をつけるがよい。

 

いや、悪魔といふものは元来、低能なのかも知れない。小柄でほつそりして手足が華奢で、かの月の女神アルテミスにも比較せられた十六歳の処女の兎も、ここに於いて一挙に頗る興味索然たるつまらぬものになつてしまつた。低能かい。それぢやあ仕様が無いねえ。

 

 

怒涛の太宰治による女叩き。

お前、「女は低脳」が言いたかっただけだろ。

こんだけ兎と狸の話書いてるけど、結局言いたいのは「男と性交しない女はわがままで低脳」なんだろ?

 

“善人な男を騙し貶める、それはそれは美しい処女”

という藁人形を持ち出して、女を叩きたいだけじゃん。

 

なんだよ、ここまで読んで損したわ。

 

ミソジニストによる、ただ生きてるだけの“美しい処女”の悪魔化、ヘイトクライムじゃん。

 

「現実にいる“美しい処女”は怖いよ!ソースは俺の創作!みんな気をつけて!」じゃん。

 

しかも“美しい処女”に加害される俺たちは善人で可哀想なんですよアピールも添えて。

 

しょーもな(笑)

 

 

「ひやあ!」と脚下に奇妙な声が起る。わが親愛なる而して甚だ純真ならざる三十七歳の男性、狸君の悲鳴である

 

太宰、もう自分が狸側だと認めるんだな…ふーん…さいですか…

 

 

お前はおれの女房ぢやないか。やあ、沈む。少くとも沈むといふ事だけは眼前の真実だ。冗談にしたつて、あくどすぎる。これはほとんど暴力だ。

 

狸、ずーっと兎のこと殴ってたじゃん。兎は黙ってただけで。ずっと暴力振るってたじゃん。「お前の意志なんか知らない。お前が嫌な思いをしようが、お前の人生を勝手に消費してやる」って。

 

太宰治のいう無邪気ってこういうことを指すのか?

 

曰く、惚れたが悪いか。

うん、違うね。

 

 

女性にはすべて、この無慈悲な兎が一匹住んでゐるし、男性には、あの善良な狸がいつも溺れかかつてあがいてゐる。作者の、それこそ三十何年来の、頗る不振の経歴に徴して見ても、それは明々白々であつた。

 

はいはい、女性の悪魔化ね。

 

兎が無慈悲なんじゃなくて、“善良な”狸がそうさせたんだよ。

それにしても、“善良”ね…わらっちゃうよね、どこが善良なんだろうね。わたしにはわからないわ。

 

 

追記

「男と性交しない女はわがままで低脳」が言いたいんだろ、と書きましたが、

「男と結婚しない、男のいいなりにならず男をよしよししない女はわがままで低脳

の方が近い気がします。

 

全然太宰治とか読まないから結局「未婚」の意味なのか「男と性交の経験がない」の意味なのか正直分からん。

 

 

 

おしまい!